同級生や友人、知人が、アルコール依存症で若くして逝ってしまいました。自分に依存症に関する知識がもっとあれば何らかの手助けが出来たのではないかと悔やんでいます。
中学の同級生である川辺秀年君が、自らのアルコール依存症と戦いながら、少しでも依存症患者を減らすため頑張っています。是非、ご覧ください。
川辺秀年·
アル中になりました No.205 アル中のイメージと・・・
アルコール依存症の診断基準(添付写真、名刺の裏)
アル中のイメージは、酒乱(飲んで暴れる)と連続飲酒発作(四六時中呑んでいる)
ところが依存症の判定基準は、その遥か手前にあります。
アル中と酒乱は別物で、殆どの依存症者は行儀よく呑むし、ウィットに富んだ冗談も言える。イヤむしろ冗談を好む。私は冗談が好きでした。外見からは分かりません。
「そんなに飲んでるとアル中になるよ」と言った時は、既に依存症ラインを越している事が殆どで、誰も気付きません。私の場合は、妻も私も気付きませんでした。
毎日晩酌している、意志が弱い、だらしない、嘘をつく等は、依存症の症状であって原因ではない。呑み続けると本音と建て前が徐々に乖離して、本当の自分を見失ってしまいます。
世間は、その因果関係を逆に捉えて、落伍者との烙印を押してしまいます。それが依存症者と家族も周囲の人も依存症と認めない原因になっています。
「否認の病」と言われる所以です。
治療の第一歩は認める事で、誰もが踏み出せない大きな一歩です。
目がかゆくてクシャミをしてるから花粉症になったのではなく、花粉症になったから目がかゆくなりクシャミをします。その因果関係を間違えるから、アル中を人格の問題と捉えてしまいます。
アル中と呼ばれた状態が、依存症と言う病気だと分かったのは、僅か40年余り前で、人々の持つイメージは簡単には変わりません。
家族や親戚、友人など関係者の依存症と言う病気を「墓場まで持って行く秘密」として隠してしまいます。
薬物を飲めば誰でも罹る普通の病気なのに、その知識がなく人格の問題と捉えるから、恥ずかしくて専門医療には繋がらず、内科へ通って治そうとします。
殆どの内科医は依存症の知識がないから、酒の毒性で傷んだ箇所を治して飲める身体にしてくれます。根本の病気は治さない。イヤ治せないし、気付きすらしません。私は何度も見逃されました。
それで又、本人は酒を飲みだし、繰り返している内に、依存症という病名すら貰えないままに、地獄の苦しみの中で最期を迎えます。家族を巻き込みながら。
依存症は誰でも罹り得る普通の病気です。早く気付いて、専門医療にかかって治療しなければ、人生を壊してしまう怖くて重篤な病です。
酒と言う薬物の摂取者は全国で6千万人、常習者で多量飲酒者は2千万人、今すぐ治療を要する重篤者は107万人、その内専門医に繋がるのは4万人で、助かるのは・・・僅か数千人
酒呑みはその怖さを知らずに呑んでいます。
一旦罹患すると、引き返す事ができない病・・・知らずに呑んでいます。
私と妻が陥った地獄の苦しみを味わってほしくない・・・でも言葉は通じない・・・