2月9日、海陽町で米軍戦闘機低空飛行実態調査を行っていましたが、本日、調査結果を報告させていただきます。岡山民報編集長 大野智久氏からは、2月23日に調査結果を受け取っていましたが、何故か写真をアップすることが出来ず、本日になってしまいました。遅くなってしまったことをお詫びいたします。
既にこの調査結果をもとに県議会では、古田 美知代県議が、県当局に対応の強化を求めています。
米軍機の推定コース図と撮影画像
海陽町の米軍機飛行高度計算書
記
1. 米軍機
F/A-18の大きさ 全長17.07m 幅11.43m 高さ 4.66m
EA6B の大きさ 全長18.24m 幅16.15m 高さ 4.95m
2. 撮影日時
F/A-18 2011年11月30日 14時29分51秒~14時35分22秒 17枚
( NIKON D90 焦点距離300mm )
EA-6B 2011年12月20日 10時54分38秒 1枚
( NIKON D100 焦点距離300mm )
F/A-18 2011年12月21日 9時51分21秒~10時23分08秒 19枚
( NIKON D100 焦点距離300mm )
3. 撮影条件
NIKON -D100 CCD 3008×2000ピクセル (23.7㍉×15.6㍉)
ピクセルサイズ 0.00784㍉ (メーカーの公表値から計算)
NIKON- D90 CCD 4288×2848ピクセル (23.6㍉×15.8㍉)
ピクセルサイズ 0.00553㍉ (メーカーの公表値から計算)
4. 撮影地点
①11月30日 海陽町中小路から カメラの標高 10.679m
②12月20日 海陽町立図書館入り口 カメラの標高 6.878m
③12月21日 海陽町中小路から カメラの標高 10.679m
5. 米軍機までの距離と方位角・仰角、機体の標高
11月30日 |
水平距離 | 方位角 |
仰 角 |
機体標高 |
曲率考慮 |
画像1717 |
1778m |
202.66 |
6.45 |
211.6m |
0.5m+ |
画像1722 |
2912m |
217.57 |
4.82 |
256.2m |
1.3m+ |
12月20日 |
水平距離 | 方位角 | 仰 角 | 機体標高 |
曲率考慮 |
画像4951 |
2581m |
310.13 |
7.47 |
345.3m |
1.0m+ |
12月21日 |
水平距離 | 方位角 | 仰 角 | 機体標高 |
曲率考慮 |
画像4956 |
4339m |
237.11 |
3.67 |
289.0m |
3.0m+ |
画像4659 |
4470m |
239.6 |
3.82 |
309.1m |
3.1m+ |
画像4963 |
5222m |
254.3 |
3.19 |
301.7m |
4.3m+ |
画像4967 |
5729m |
261.2 |
2.98 |
308.9m |
5.1m+ |
6. 米軍機の推定コースと飛行高度
① 海部川河口付近から進入して、海部小学校や海部中学校の約200m上空を飛行し、海部駅南の山地では、対地高度が約108mだったと推定される。
② 東の海側から約300mの対地高度で進入し、海南病院のすぐ近くを通過したと推定される。
③ 宍喰の沖合から、約300mの高度で、機体を真横に倒して進入、高度をほぼ維持して北西に飛行したとみられ、阿佐海岸鉄道付近の山地で、対地高度は約135mだったと推定される。
7. 測量と計算について
大きさがわかっている物体なら、その見かけの大きさ(角度)で距離がわかる。仰ぎ見る角度がわかれば高度と水平距離がわかる。米軍機の機種がわかれば、機体の大きさはわかるので、撮影画像から、飛行姿勢を考慮して、見かけの大きさを補正する。レンズの焦点距離と像の大きさとの比率を求め、カメラから米軍機までの距離を割り出す。
撮影画像に写っている地上の指標物との対比で、撮影画像中の米軍機の座標位置から、米軍機の仰角と方位角を算出する。測量の精度は、1秒(3600分の1度)角。画像の精度は約5秒角。撮影地点と米軍機の位置を、国土地理院の地図に基づいて、地図上に記し、標高差などを求める。
以上
日本共産党四国ブロック事務所、徳島県委員会、徳島県議団を先頭に現地調査し、翌21日に徳島県に低空飛行の中止を申し入れたが、ことし2月9日、撮影画像(昨年11月30日、12月20日、同21日)に基づき、測量調査を実施した。11月30日の場合、米軍機は海部小学校や海部中学校の真上を飛んだ上に、海部駅付近では推定高度108mだったとみられ、航空法「最低安全高度」にも違反する超低空飛行だった。日米合意(1999年)違反は明らかである。
同町住民から、昨年8月から同12月までの画像計80枚が寄せられ、撮影位置と画像中の指標物の測量調査を行なった。日本共産党の笹岡優四国ブロック事務所所長を調査団長とし、大野智久(「岡山民報」編集長)、秋山欣也(秋山測量設計事務所社長)、藤元雅文日本共産党牟岐町議らが参加した。撮影場所をGPS(全地球測位システム)で測量し、地上の指標物について高精度の測量を行なった。飛来したのは米軍のF/A-18ホーネット戦闘攻撃機とEA6B電子戦機プラウラーとみられる。カメラの撮影データーをもとに、米軍機の見かけの大きさで距離を推定、測量と画像解析から方位角と仰角、さらに米軍機の位置と標高を算出した。レンズには収差がないものとし、撮影時刻や焦点距離などは、画像の記録に従った。樹頂部の成長などは無視した。地表面の曲率を考慮して機体の飛行高度を推定した。地図と計算ソフトは国土地理院 のものを利用した。
測量は秋山欣也、計算・文責は大野智久。