12月議会が終わりました

今議会の議案は少なく、何時もより早く終わりました。一般会計補正予算では、30,646千円を追加し、総額を2,828,827千円するものです。歳出の主なものは、温泉指定管理業務期間短縮による損害・損失保証金として800万円、有害鳥獣捕獲奨励金88万円の追加等。 9月議会で取上げていた、児童会費、生徒会費、PTA会費の修学援助費137,710円が予算化されました。

今議会は、3名が一般質問にたち、小中一環教育、役場の移転等について質問しました。

私は、TPP問題、米軍戦闘機の低空訓練飛行、地域情報基盤整備事業について質問しました。内容については、質問原稿より紹介します。

3点について質問させていただきます。

最初に、日本のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加についてであります。国政レベルの問題でありますが、農林漁業を基幹産業としている本町のような田舎の自治体にとっては大変重要な問題だと思いますので、今回1番最初に取り上げさせていただきました。

菅内閣は、例外なしの関税撤廃を原則とするTPP参加への道を突き進んでおります。11月9日、「関係国との協議を開始する」と明記した、「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定し、来年6月には「参加」について決定すると表明しております。

 日本がTPPに参加することになれば、農業大国であるアメリカやオーストラリアからの農産物輸入も完全自由化されるのは避けられず、日本農業と地域経済が壊滅的な打撃を受けることは間違いありません。農水省試算によっても、米の生産は9割減少、食料自給率は40%から13%へ低下。農林漁業及び関連産業で8兆4000億円の生産減、350万人の雇用が失われるとしております。

 前原外務大臣は、「日本のGDPにおける第1次産業の割合は1,5%だ。1,5%を守るため98,5%が犠牲になっている」と言い放ちました。許しがたい暴言ではないでしょうか。農林漁業があってこそ、我々人間は毎日普通に生活が出来るのであって、地域経済、関連産業、雇用を支え、国土と環境を守る、かけがえのない多面的な役割を果たしているのが農林漁業であります。農林漁業の役割は単に数字で表すことは出来ませんが、あえて数字で表すとするなら、日本学術会議が農水省の諮問に答えた、農林漁業の多面的機能貨幣評価額を参考にすべきだと考えます。日本学術会議の答申によると、農業では、洪水防止機能、土砂崩壊防止機能などで年間8兆円。森林では、表面侵食防止機能、水質浄化機能などで年間70兆円。水産業、漁村では、物質循環の補完機能、生態系保全機能などで年間11兆円ということであります。生産額だけで第一次産業を厄介者扱いするかのような発言はとんでもない話であります。また、菅総理は、「開国」と言うことを盛んに発言しております。発言を聞いていますと、日本の貿易は、農林水産物を中心に、まるで鎖国状態にあるかのように錯覚してしまいますが、事実はまったくそうではありません。日本は、26年前の1984年からすでに世界一の農産物輸入国となっておりますし、世界主要国の農産物平均関税率を見てみましても、インドが124,3%、韓国62,2%、メキシコ42,9%、EU19,5%、日本11,7%、アメリカが5,5%であります。アメリカについで2番目に関税率の低いのが日本なのであります。鎖国どころか十分すぎるほど開かれているのが日本であります。そして、この関税率の低さが、今日、日本の食料自給率の低下、農業の疲弊、困難さの主な原因になってきた訳であります。この、今にも倒れそうな日本農業、地域経済を立て直すのが政治の大事な仕事であるのにも係わらず、さらに、谷底に蹴落としてしまおうというのがTPP参加であると言わなければなりません。

 菅総理は、農業の再建と両立させるといいます。しかし、そんなことが可能でしょうか。同じく農水省の試算ですが、北海道農業が大きな打撃を受けると予想されております。北海道農業とEU、アメリカとの比較を見てみますと、酪農経営の1戸あたりの平均飼育頭数は、北海道64頭、EU10頭、アメリカ138頭。肉用牛については北海道178頭、EU24頭、アメリカ84頭、。平均経営面積は、北海道20,5ha、EU13,9ha、アメリカ186,9ha、と言うことであります。すでに、北海道農業はEUレベルを超え、肉用牛ではアメリカをも超えています。TPP参加により、世界的にも大規模化されている北海道農業さえ大きな打撃を受けると言うことですから、日本の農業全体が壊滅的な打撃を受けることは間違いないことではないでしょうか。TPPに参加しながら、日本農業を守り、自給率を上げていく。聞こえは良いけれども、そのためには莫大な財源が必要です。自ら掲げた子ども手当の財源さえ確保することがなかなか出来ない状況なのに、そんなことを誰が信じることが出来るでしょうか。

 安い食料が入ってくるのなら良いではないかという意見もあります。しかし、21世紀は、「お金さえ出せば食料を輸入出来る」時代ではないのではないでしょうか。世界人口の増加、経済発展に伴う食料需要の増大、地球温暖化による異常気象等々により、食料事情が逼迫し、今日、世界では9億人が飢餓に苦しみ、毎年1500~1800万人が餓死していると言われております。今後、益々世界の食料事情の悪化が予想される中、お金のある国が世界の食料を買いあさる。あるいは、他国の農業がどうなろうと自国の農産物を売りつける。このようなことが続けば大変なことになるとの思いから、食料に関する国際的なルールをつくろうと言う動きが強まっています。食料を市場任せではなくて、各国の条件に合わせた農業・食料政策を自主的に決める権利、いわゆる「食料主権」という流れが広がっているわけであります。

 消費者、国民の皆様方は、この問題どう考えているでしょうか。内閣府がこの9月に行った特別世論調査によりますと、外国産の安い食料について「輸入するほうが良い」と答えた方は、わずか5,4%と言う調査結果が出ています。また、10月に行った同調査においても、今後の我が国の食料自給率を「高めるべきだ」、「どちらかと言うと高めるべきだ」と90,7%の方が答えています。要するに、圧倒的な国民の皆さんが望んでいることは、食料は、安易に外国からの輸入に頼るのではなく、「安全・安心の食料は、日本の大地から」と言うことであります。

 もちろん、世界経済が結びつき、貿易が拡大すること自体は自然の流れでありますが、そういうなかでも農林漁業や環境、労働などは市場任せではなく、それらを守るルールづくりがなければまともな経済発展ができないと言うことであります。そのことは、現在の日本の経済状況を見れば明らかであります。

 先ほどの食料主権との関連ですが、2004年4月16日、第60回国連人権委員会で「各国政府に対し食料に対する権利を尊重し、保護し、履行するよう勧告する」特別報告書が圧倒的多数で採択されています。実は、この報告書に反対したのがアメリカであり、棄権をしたのがオーストラリアであります。このことからも伺えるように、日本がTPPに参加しようと動いているその根底には、日本に更に農産物を売り込もうと考えているアメリカ、オーストラリアの思惑と自動車や家電を売り込もうとする日本の一部大企業の思惑の重なりがあるわけであります。日本経団連などが、「乗り遅れるな」などと煽り立てていますが、この「恩恵」を受けるのは自動車や家電などの一部の輸出大企業だけであります。一部の輸出大企業の儲けのために日本の農林漁業が破壊されたり、地域経済がさらに疲弊するのを黙ってみている訳には参りません。

 町長は、就任されてからやがて4年になろうとしています。この間あなたは、町長として、あなたなりに本町の理想像を描き、そのために努力してきたはずであります。もちろんあなただけではなくて、多くの町民の皆さんがそれぞれの立場で住みよい牟岐町をつくるために努力を重ねてきました。しかし、もし日本がTPPに参加するようなことになれば、あなたの努力はもちろん、先人の苦労が水の泡になって消え去ってしまう可能性が大であると考えます。

 そこでお伺いいたします。町長、あなたは、この日本のTPP参加問題についてどのような認識でおられるのか、まず最初にお伺いいたします。

 次に、もし日本がTPPに参加した場合、本町にはどのような影響が、どれほどの規模であるのかと言う事をお伺いいたします。県議会では、本県の農林水産業への影響額を329億円と試算し、答弁しています。ただ、今日の私の質問は、農業、食料問題を中心に述べさせていただきましたが、ご承知のようにTPPは、農業だけではなく金融、保険、公共事業の入札、医師、看護師、介護士などの労働市場の解放まで含まれています。したがって、一口で答弁するのはなかなか難しいとは思いますが、よろしく答弁をお願いいたします。

 次に、町行政の最高責任者として、この問題にどう対応するのかと言うことであります。すでに、12月1日の全国町村長大会でTPP参加反対の特別決議を上げていただいているところですが、それだけではなく、今後も、考えられるあらゆる事で努力をしていただきたいと思いますが、そのお考えをお伺いいたします。

 次に、米軍戦闘機低空飛行訓練についてであります。この問題については平成21年3月議会でも取り上げさせていただきました。残念ながら、依然として牟岐町上空を含む海部郡上空において、米軍戦闘機の低空飛行訓練が続けられているようであります。

 牟岐町からはなかったようですが、低空飛行が確認されますと各市町村から県の企画総務部の方に情報が寄せられるようになっておりまして、22年度は11月16日現在、いずれも海陽町から確認日数4日と県に報告されております。ただ、爆音が聞こえても機種、高度、飛行方向等が確認されない場合は、報告されていませんので、実際はもっと多いと言うことであります。事実、議員の皆さんには資料をお渡ししましたが、11月8日、午後1時50分頃、旧宍喰町上空を6機、超低空で飛ぶのを、たままた撮影した方がおいでましたが、その飛行については、県に報告されていませんでした。

 少し、報告書の中身を紹介させていただきます。海陽町から県に送られた報告書ですが、飛行日は、22年11月4日午前11時05分頃と11月5日午前11時10分頃飛行、東から西へ 150メートル未満、2日とも鮮明に見えた 飛行高度が低かったため、爆音を響かせて飛行していた。住民から被害報告はないが「自衛隊の飛行訓練か」等の問い合わせが何件かあった。11月9日、午前10時30分頃、11時30分頃、午後1時頃、午後1時55分頃飛行 東から西へと西から東へ 250~300メートル未満。物的、心理的被害の報告はなし、エンジン音については海南庁舎上空、庁舎付近を飛行していたため大きな音であった。このように書かれております。

 以上の報告書からも、住宅地上空をかなりの低空で飛んでいることが分かります。議員の皆さんの中にも直接低空飛行訓練を観られた方や、爆音を聞いた方がおられると思います。私も何度か目撃していますが、目撃するたびに思うのはあれが住宅地にでも落ちたら大変なことになるだろうなって事であります。と言うのも過去にそんな悲劇があったのを知っているからであります。30年ほど前の話になりますが1977年、9月27日、厚木基地を飛び立った米軍ジェット機が横浜市緑区の住宅地に墜落し、市民9名が死傷すると言う事故がありました。翌日、全身やけどで幼い男の子2人が亡くなりました。パパ、ママ、バイバイとうわごとのように言いながら息を引き取ったそうです。そして、その母親の林和枝さんも瀕死の重傷であったため子どもの死を知ったのはずっと後のことになりましたが、皮膚移植の手術を繰り返しながら、長期の入退院を繰り返した後、精神科に転院し、事故から4年4ヵ月後、心因性の呼吸不全で亡くなりました。そのニュースをNHKの女性アナウンサーが涙を流しながら原稿を読んでいたのを今でも思い出します。

 この事故だけではありません。少し前のニュースで知ったことですが、1959年6月30日、沖縄のうるま市にある、宮森小学校に米軍戦闘機が墜落し、児童11人を含む17名が死亡し、200名が怪我をしたと言う事故もありました。当時、8歳だった息子を亡くした喜納(きな)さんは、2回も焼くのは可愛そうで、火葬にしないで土葬にしたとインタビューに答えていました。これ以外にも、低空飛行で木材搬出用のワイヤーを切った。部品が落ちてきた等々、数々の事故を起こしてきています。距離的に近いところでは1994年の早明浦ダムへの墜落、1999年の土佐湾への墜落があります。いずれも住宅地だったら大変なことになるところでした。

 前回の質問の中でも申し上げたと思いますが、航空法により、住宅地上空の飛行については300メートル以上の高度で飛行しなければならないのにもかかわらず、実際は、法律も日米合意も無視した訓練が続けられています。地上すれすれを音速に近いスピードで飛んでいて、もし住宅地にでも墜落すれば、どんな事故になるか容易に想像できます。

 前回の質問に対して町長は、海部郡町村会で議題として取上げ相談したいと答弁しています。相談して、どのような結論に至ったのでしょうか。また、今後どのような対応を考えているのかお伺いいたします。

次に、情報化基盤製備事業についてであります。

 平成21年度における主要な施策の成果の中に、一般世帯2042戸が宅内工事を終えたと書かれております。これで事業が完了したと考えて良いのでしょうか。何故こんな質問をするかと言うと、同じ資料のなかで住民基本台帳の世帯数が2,396と戸なっているからであります。残りの354戸はどうするのだろうと言うことであります。確かに光ケーブルの引き込み、告知端末の設置を希望しない世帯もあるだろうけれども、それにしても多いのではないだろうか、他に理由があるのではないか。それとも工事が遅れているのだろうか。そんなことを考えてしまう訳であります。

 私には79歳になる母がおりますが、実は、この事業に係わる通知が来ても、意味がまったく理解できません。周りにもお年寄りが多いですが、母と同じく、この種の話はあまり理解できないようです。同じ資料の中に、一人暮らしの高齢者357名。高齢者世帯309戸、625人の記述があります。もしかして、お年寄りだけの世帯では、申し込みをしていない世帯があるのではないかなどと考えたりもします。そうでなければ良いのにと思いますが、現時点での事業の到達点についてお答えください。

 次に、経済的理由により地上デジタル放送に対応できない世帯に対する支援についてであります。この件については、今まで2回ほど取上げさせていただきましたが、今回、政府が新たな支援策を打ち出し、本町にもその通知が届いているはずでございます。支援策の中身、その周知、広報の方法をどのようにするのかお答えください。

以上、質問を終わります。

米軍戦闘機低空飛行訓練中止を求める意見書を提出し、全会一致で採択されました。 

 米軍戦闘機低空飛行訓練中止を求める意見書

  2008年7月29日、徳島県上空での米軍戦闘機低空飛行訓練が繰り返されるなか、徳島県知事による外務省に対する抗議、再発防止の申し入れがされた。

 しかし、その後の事態は依然として変わりなく、相変わらず米軍による低空飛行訓練が続けられている。特に、本町上空を含む海部郡上空において、低空飛行訓練が集中してやられている。

 航空法により、人口密集地上空での飛行については300メートル以上、それ以外では150メートル以上と定められており、1999年、日米合同委員会において、米側も、その制限高度を守ることに合意している。

 米国においては、住宅密集地上空においての低空飛行などは当然禁止されているし、野生生物にさえ配慮した訓練域が定められているというのに、日本国内では、航空法、日米合意を無視し、住宅地上空を超低空で、しかも、音速に近い速度で飛ぶなど看過することが出来ない事態である。

 よって本議会は、政府に対し下記の事項について強く要望する。

                 記

1、この問題は、国民の安全と国家主権に係わることであり、国内法、合意違反については米側に厳しく抗議するなど再発防止に全力をあげること

 

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成22年12 月 17 日

提出先

内閣総理大臣  外務大臣 衆議院議長  参議院議長

他に、TPPへの参加への撤回を求める意見書が、民主党議員一人が反対しましたが、賛成多数で採択されました。 私は、意見書提出にあたって賛成議員になりました。

今回、米軍戦闘機低空飛行訓練についての質問途中、亡くなった幼い子どもたちのこと、子どもたちの死を知らず、闘病生活を送っていた林和枝さんのことをしゃべっているうち、自然に涙が出てきてしゃべれなくなってしまいました。

 家に帰って、バーさんに話したら、「周りの人が泣くんだったら分かるけど、お前が泣いてどうするん」って一言。

12月議会が終わりました」への2件のフィードバック

  1. 雅さんこんばんは。
    『パパママバイバイ』は早乙女勝元氏原作で絵本やアニメ映画にもなりましたね。
    痛ましい事件です
    TPP・・・菅政権も完成度が低いですね、これから田舎に住もうとしている僕としても???
    食料も自給できない先進国なんて。農業者戸別所得補償制度との関連のカラクリがあるんでしょうね。
    情報化基盤製備事業、地デジやICTなどは戸別訪問とかして説明しないと理解できないでしょうねえ。

    • 横浜の事故のことはかなり前の話になりますが、当時、「赤旗」新聞等で良く報道されていたので記憶に鮮明に残っていました。そんなことが次々思い出され、とうとう質問中、涙が止まらなくなってしゃべれなくなってしまいました。牟岐町議会始まって以来のことだったと思いますが、頑張れって声をかけてくれた議員もいました。

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